古代から現代にいたるまで韓半島が日本列島の脇腹をねらっている鋭利な刃、鎌首(鎌の刃)、匕首、凶器、と考えている以上日本人は韓国が再び統一されることを喜ぶはずがない。
極右時事評論家竹村健一は《日本の悲劇》(祥伝社、1991)という本で次のように「韓半島分断固着」を主張している。
「統一された南北が大規模軍縮を実施するだろうという考えは誤算だ。統一韓国軍隊は組織の生理上新しい目標を設定しようとするだろうし、軍事大国ソ連や中国よりは日本や台湾がその対象になるだろう。
韓半島が統一されれば170万の軍事力を保有するもう一つの軍事大国が近くに出現する。
日本の自衛隊はその10分の1にしかならない18万の水準だ、統一韓国軍隊が日本を攻撃することもできると考えると南北韓が対立している現状が日本の安全保障には望ましい。」
同じころ会田雄次(逝去)前京都大学教授も「日本よ、もう一度生まれよ」という文で「日本が孤立し無防備状態に置かれれば韓国は即刻攻撃する意志を持つだろう。
想像するのも嫌だがこの状態では十分に韓国が日本の仮想敵国になりうる。」と言い、韓国の危険を強調した。
そうしながら、彼は、日本は一日も早く憲法を改定し防衛費をGNP対比2%水準に引き上げなければならないと言い、核武装も早急に推進しなければならないと主張した。
同じころアメリカの外交官、マークTフィッツパトリックは《国防》(1991、9月号)という雑誌で「九州地方は韓国からわずか214キロメートル離れているに過ぎない。
そのため日本人は長い間、韓国を日本の横腹をねらっている短刀として認識してきた。
韓国が一方的に独島を占領していることも日本人の恐怖症を刺激している要因だ。
特に李承晩大統領が1952年に宣言した平和ラインは日本の漁業権を脅かして反感の感情を増幅させた。」と指摘した。
産経新聞のソウル支局長黒田勝弘も「朝鮮半島は日本が左右する。」(Voice,1991,11月号)という文で次のように主張した。
「加害者だった日本の深層心理はいつか被害者に報復されるのではないかという恐怖心が潜んでいる。
例えば、敗戦直後朝鮮人一部が戦勝国気分に浸って、日本国内で報復行為を犯したという事実を日本人は今も記憶している。
6.25動乱直後釜山まで赤化(共産化)したかもしれないという『釜山赤化論』が盛んになったことも日本人の韓半島恐怖症を証明したのだ。」
朝日新聞と東亜日報、中国社会科学院が共同で実施した世論調査によれば(2005、4,27)、韓国が将来統一されると見られるかという質問に日本人の36%が「そうだ」と答えた半面、過半数以上(54%)が「ない」と答えた。
また日本に対する最大の軍事的危険として北韓(57%)を挙げたが、韓国については2%にとどまった。
反面、韓国人と中国人の約6割は韓半島がいつかは統一されると答えた。そうならないだろうという答えも4割に近い。
日本のある穏健派気質の韓半島問題専門家は「韓半島分断が植民統治の延長線上で起こったために韓半島統一に反対する理由はない。」と主張したことがある。
また、安倍晋三自民党幹事長は国会議員当選翌年である1994年2月《サピオ》誌との対談で「極端な北韓が消滅して韓国が統一すれば民主的な国家が誕生するから、日本の安全保障面でもプラスになると考える。」と明かした。
しかし、大多数の日本人は現在の韓半島統一問題について無知であるか特別な関心がない。
また、朝日新聞の世論調査で見るように、日本人の過半数以上が韓国統一は当分難しいだろうと考えている。
また、統一がかなっても最低20年以上かかるというのが一般的な考えだ(2005年1月4日MBCとフジニュースネットワークの共同調査によれば役3割程度が最低20年以上かかるだろうと答えた)。
しかし、韓国の統一の空気が熟していけば日本の世論も急激に変わるだろう。
なぜか?日本の右翼勢力が対韓半島恐怖症を扇動して韓国の分断を定着化しなければならないという論理で「統一韓国危険論」を、統一韓国の危険論を増幅させようという論理で「短刀の論理」を拡大再生産させるようにするためだ。
その上劇場国家日本が今新幹線の速さではなく、光の速度で変貌を遂げている。
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