シドニー近郊を歩く(海の上にかかる橋―オートリー・コモブリッジ)

シドニー滞在記

シドニーのホールタウン駅から約30分のハーストビル駅で下車します。
駅近くから南(オートリ―方面)に向かうヒルクレスト通りを下ります。(急な坂道です)
下がっては上り下がっては上りを2、3回繰り返すと大きく右にカーブする地点に来ます。右側にレナウンパーク左側にムーアリザーブが見えてきます。どちらを見ても広い芝生が広がっています。道沿いはユーカリなどの大木の木陰で暑い日には癒されます。ここまで約20分。

右がムーアリザーブ;前に紹介した水鳥の池とブッシュウオークが楽しめるリザーブ。左はレナウンパーク;サッカーや野球やなどのゲームができる広い芝生のグランドがある公園(振り返って撮っているので、上の文の説明と右左が逆になってます。)

ここを抜けてまた坂を上りきると、ずっと先にオートリ―シニアキャンパスの木立が見えてきます。ここから10分ほどでオートリ―駅の前のBoongarraリザーブに付きます。

オートリ―シニアキャンパス;木立に囲まれた中にテニスやバスケットコートが見えます。

シニアキャンパスの向かい側にオ-トリーメモリアルガーデンズがあって、ここも芝生の憩いの広場とブランコなどが設置されたこじんまりした遊園地があり、親子連れが楽しんでいます。父子の姿も多く、お父さんが子育てに積極的に関わっているなと感じます。この公園を縦断して(海まで公園やブッシュが細長く続いています。)オートリ―・コモブリッジに向かいます。
公園の中で目を引く花を見つけました。

グレビレア;オーストラリア南西部、乾燥した地域に分布。ブラシのような変わった形の花を咲かせる。名前のようにこれはクリーム色だが赤い花をよく見かける。

メモリアルガーデンを南に向かって直進すると、公園から抜け出てオートリ―通りに出ます。左手はブッシュのような藪が続きます。
5分ほどでオートリ―・コモブリッジに続く遊歩道の入り口に着きます。
ここでは、家族の一団やウオーキング、ジョギングをする人たちに出会います。
左側は谷のような低い土地ですが、森の中に点々と家が見え隠れしています。
遊歩道の右側はシドニーとオ―トリー、ハーストビルなどの駅を結ぶ鉄道が走っています。この場所はシドニーから2,30分の距離です。
遊歩道を15分ほど行くと、左に林の間から海が見えてきます。ネバーフェイルベイです。帆を張っていないヨットや小型の船が行き来しています。
みな個人所有のレジャー用だと思います。このあたりの家の前にはよくボートが置いてありますから。

ベイと言っても、ボタニー湾からジョージズリバーをさかのぼった所にあるので、海と言っていいか分かりませんが。

ようやく橋のたもとにやってきました。
向こうからやってきた中国系のカップルに「ニーハオ」と挨拶されました。中国系と思われたかもしれません。中国系とみられるオーストラリア人は結構多いようです。この後もよく中国語で話しかけられました。

この橋は、案内板には1885年完成とあります。当時としては鉄格子桁橋として優れた橋だったそうです。(ニューサウスウエールズで最長)
鉄道橋として作られ、1972年にコンクリート鉄道橋として新しく作り替えられた際、古い橋が水道管のために必要だったので、道路として残されたとあります。

写真には当時の物らしい水道管と鉄格子が見えます。鉄格子の向こうにネバーフェイルベイとたくさんの小型船が見えます。案内板には橋が水面から10,7メートルの高さにあると書かれてありました。
鉄格子の隙間から覗いてみるとなんだかぞくっとします。

1972年に新たに作り替えられたコンクリートの鉄道橋が並行して通っています。こちらにも水道管が見えます。その先の海も見たかったのですが、鉄道橋がちょうど視線を遮ってどのような景色なのかどうしても見ることができませんでした。

橋の終点はコモという地域で、コモプレジャーグラウンドがあります。そこには、マリーナやプール、公園などもあります。(次回のブログで詳しく書きます。)この日はだいぶ歩いたので橋を渡り切ったら戻ることにしました。
天気の変わりやすい日で、雲行きが怪しかったこともあります。
そう思っていると、本当にボタニー湾方面の空が濃い灰色に覆われて水面まで白く煙っているのに気が付き、ドキッとしました。
見たことのない光景で思わず呆然としていると、その煙のような霧のような部分がなんだかこちらに近づいているようです。
とっさに雨だと直感しました。
その灰色の塊が見る間にどんどん近づいて来るので、慌てて引き返し始めました。
そうこうするうちに、風が強くなって頬に雨が当たり始めました。
橋も風で揺れ、体がゆすぶられて振り落とされそうな感覚に陥り、経験したことのない恐怖感に襲われました。パニック状態でした。

これは走って橋を渡りきらないと大変だ。
でも、これまで6キロは歩いて来たし、走れるだろうかと不安になる。
迷っている場合ではない。私は思いもよらない速さで走り始めた。
自分ながらよく走れるなと思った。
しかし、向こうからものすごい速さで水面まで立ち込めた不気味な雨雲が迫ってくる。
その雨雲の塊から横殴りの雨が降ってくる。
走らなければあの雨雲の塊に飲み込まれそうだ。
必死で走った。雨の幕にまかれないうちにと。
ようやくオートリ―側の橋の入り口に戻った。と同時にバケツをひっくり返したような雨が降り始めた。
雨の塊のように見えたのは雨雲から降る雨と雲が一体化していたからだと思う。
助かった。

その後は、落ち着いて傘を出して歩き始めました。行きかう人たちはみな傘もなくずぶ濡れでした。
中には木の下で雨宿りしている人もいました。
折り畳みの小さい傘でしたが持ってきてよかったと思いました。出がけに天気が不安定だから晴れていたけれども傘を持ったのでした。
すれ違う人たちの姿を見てこれほど傘のありがたさを感じたことはありません。遊歩道の入り口に来る頃には、果たして雨はやんでいました。天気の変わり方が激しい今日この頃の典型的な一日です。

ラニーニャ現象のためかこの夏のオーストラリアは雨が多く、一日のうちで必ずと言っていいほど雨の時間帯があります。
今日のように熱帯のスコールもこうだろうかと思わせる程、激しく降る時もあります。
日本の梅雨のようにずっと降り続けるわけではなく、一日のうちどこかでは晴れ間があったりするので、私は出かける時は傘を持っていくことにしてます。
けれど現地のオーストラリア人は結構頓着しない人も多いようです。

オートリ―からハーストビルに帰る途中きれいなピンク色の実をつけた珍しい植物を見つけました。
ブルーベリーの種類でピンクベリーと呼ばれるものがあるそうですが、はっきりしません。
とにかく色が可愛く、道端を歩いていても見過ごせないほどでした。

今日歩いた距離は13キロでした。途中、走ったりして疲れもたまっていたせいか、ハーストビルの駅近くヒルクレスト通りの終点までの急坂は膝ががくがくしました。
全く、このあたりの道は坂が多くて!

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