「短刀と弓」(日韓関係論)翻訳32  6章―②サッカー義和団の乱―後半戦

 韓国で点火された反日運動が中国に伝播して火が付いた形で中国義和団の乱が2005年4月再びキックオフされた。 

理性を失った「サッカー義和団チーム」が上海の日本総領事館を襲撃すると「靖国神社参拝及び教科書歪曲チーム」(以下神社、歪曲チーム)のコーチ陣(自民党右派)も一斉に加わって立ち上がった。

 「神社、歪曲チーム」の作戦コーチに該当する自民党の安倍晋三副幹事長は当時「中国反日運動の底流にあるのは高度経済成長の副産物であり、貧富格差に対する怒りが日本に向かって噴出したのはよくない。」とし、騒動の責任を中国政府に転化した。(2005,4,10)

 神社、歪曲チームの他のコーチ陣も前半戦のように後半戦の試合が荒れているのは「中国政府の反日愛国教育、中国の低い民度のせい」という理由をあれこれ言い、中国チームに対する専守防衛作戦、即ち中国に一方的に譲歩することはオウンゴールをする行為だとして立ち上がった。

 彼らの主張によれば中国の組織的な反日愛国教育は江沢民政権の時から始まったことだ。 
即ち江沢民政権は1994年から各地に反日記念館を建設し反日教育を強化するやり方で若い世代の反日感情を煽ってきた。
江沢民主席はまた早稲田大学講演(1998年)で日本軍が中国の軍民3500万名を殺傷し被害規模が甚大であり、爆弾の雨を降らせたと言った。

 しかし、中国の研究者によれば実際被害ははるかに大きく、中国社会科学院近代史研究所のペンシュウウェ博士の主張では日本軍の侵略と無差別爆撃など残虐行為は中国全国土の3分の2に近い地域で14年間(1931~1945)ほしいまま行われた。
殺し方も250種に及び、大虐殺も4千件ほど発生した(官営新華社通信、2005、7,5)。
この時民間人5千万名が殺され経済的損失も直接には1千億ドル、間接に5千億ドルで合わせて6千億ドルの損失を被った。
このため中国社会の近代化が50年ほど遅れたということがペン博士の主張だ。

 神社、歪曲チームでも新しい歴史の会のような歴史修正主義者たちが韓国の植民地化と中国侵略を美化する教科書を作って「皇国愛国教育」を実施していることは同じことだ。
彼らを背後で操縦し援護射撃しているのは他でもない自民党右派コーチ陣だ。
韓国と中国は「反日教育」をしてはいけなくて、自分たちは「皇国愛国教育」をしてもいいというのは盗人猛々しいにもほどがある。

 新しい歴史の会のような歴史修正主義者たちが日ごと力を得ていることは日本の長期不況化とも密接な関連がある。
6年連続自殺者が3万名を突破するほど、今「小日本人たち」が受けているストレスはとても深刻な水準だ。
ストレスの突破口に新しい歴史の会の反韓、反中国キャンペーンが飲みこまれているのだ。
こうしてみると日本の民度が中国の民度より高いという主張は驕慢な小日本の錯覚に過ぎない。

 随って、自民党右派コーチ陣が中国のラフプレーを反日愛国教育と低い民度だと攻撃するのは言いがかりだ。
まず日本の神社、歪曲チームがラフプレー(皇国愛国教育)を反省し中国チームに対してフェアプレーを訴えるべきだろう。
一方的にサッカー義和団チームのラフプレー(反日愛国教育)を問題にしようとすれば後半戦もその終わりが見えないだろう。

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